Misskeyなどの分散SNSサーバーを運用していると、したくないですがいつかは決断せざるを得ないサーバー閉鎖。
私は2回ほど閉鎖したことがありましたので、そのきっかけと学びについて記載します。
1. クラウド事業者のアカウントBAN
きっかけ
当時はMisskeyをOracle Cloudの無償枠(確かメモリ1GB)で運用していました。
運用開始してから8ヶ月程度たったある日、Misskeyにアクセスできなくなりました。
Oracle Cloudのコントロールパネルを見ると、「アカウントが一時停止されました」とページ上部に表示されていました。
チャットに問い合わせしましたが、「理由は教えられないがアカウントを停止し復旧も不可」とのこと。
バックアップはOracleCloudのオブジェクトストレージに保存していました。
どうなったか
バックアップのオブジェクトストレージにすらアクセスすることができないため、 復旧を諦めサーバー閉鎖を決断しました。
学び
サーバーとバックアップ先を同じサービスにすると、アカウントBANで大切なデータを消失する可能性が高いです。
よって、サーバーとバックアップ先は別のサービスを使うか、同じサービスを使うにしても別の場所にバックアップをコピーしておくと復旧できる可能性が高くなります。
私は無料より高いものはないと感じ、これ以来有料のサービスを使うようにしています。
2. モデレーションコスト増
きっかけ
Misskeyのフォークが気になり、(どのような機能があるか味見するために)検証環境を構築しました。
特に宣伝(1回だけ「構築したよ」という投稿はした)はしていないため、
ユーザーも増えないだろうと思い利用規約も定めずメールアドレスなしで新規登録を開放していました。
2週間ほどたったある日、コントロールパネルを開くとユーザー数が150人(前日比+120)になっており、 オンラインユーザー数も40人を超える盛況な場になっていました。
どうやら若年層(小中学生)の間で、メールアドレス不要で登録できるチャットサイトとして広まり、 急激に新規登録者が増えたようです。
どうなったか
1日の投稿が5000件を超え、画像などのメディアファイルも数百件あり、 これらのモデレーションを管理人1人で処理するには4-5時間ほどかかることがわかりました。
特に若年層のユーザーは、言い争いになると気軽に通報機能を使う傾向があることがわかりました。
利用規約もなくモデレーションの基準も未整備だったため、対応に苦慮することになりました。
通報については1日20件近く発生していました。1件ごとにDBを開く投稿の内容を確認するコストはとても高く維持することが難しいと判断しサーバーを閉鎖しました。
学び
利用規約やモデレーション基準は整備した方が良いです。
若年層のユーザーを受け入れる余裕がないならば、メールアドレス認証は必須です。
捨てメアド対策はした方が良いかもしれません。
年齢制限もあったほうが良いです。18歳か20歳以上にした方がモデレーションの負担は減ると思います。
若年層ユーザーを受け入れるためには、モデレーターを増やすなど人的リソースを増やす必要があると感じました。
あとがき
あまり分散SNSサーバーの閉鎖のきっかけの記事について見かけなかったので書いてみました。
あくまで一例ですが、今後のサーバー構築の参考になれば嬉しく思います。
それでは。